【サステイナブルな素材】衣類ロスや廃棄物を再活用するアップサイクルのメリットデメリット
みなさんは "デッドストック" という言葉を聞いたことがありますか?
国内では作ったお洋服の半分以上が売れ残り、その後破棄されていると言われています。数字でいうと国内市場で出回ったお洋服29億着に対して、15億着の売れ残り破棄されていると推測されています(※小島ファッションマーケティング調べ)
このような売れ残ってしまったお洋服などを「デッドストック」とも呼びます。
衣類ロスが問題視される中、衣類を破棄せず再利用し、より良いものへ作り替えることを「アップサイクル」と呼びます。
今回は3R(リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle))と共に、モノを大切にする方法の一つとして取り組まれているアップサイクルについてお話をしたいと思います。
初めに 膨大な衣類ロスの現状
世界では年間約9,200万トン(約3,000億着)が破棄され、(※グローバルファッションアジェンダ調べ)日本でも年間に破棄される量は年間100万トン。着数にして30億着捨てられています(※立行政法人中小機構調べ)。
また、その数は増加傾向で、ファストファッションの台頭により速いサイクルで捨てているとも言われており、あるデータでは5年前の22億着から30億着に膨れています。
国内では作ったお洋服の半分以上が売れ残り、その後破棄されていると言われています。数字でいうと国内市場で出回ったお洋服29億着に対して、15億着の売れ残り破棄されていると推測されています(※小島ファッションマーケティング調べ)。
新品のまま廃棄処分され、その後衣服ロスとなっていると考えられています。
日本は4枚のうち1枚新品を捨てている計算になるのです。
これは、全ての廃棄物の2%ほどを占めており、この数字だけでも繊維・アパレル産業からとても多くの廃棄物が出ている、ということがわかります。
デットストックに再び命を灯すアップサイクル
このように余ってしまった衣類を再利用する方法として、「アップサイクル(再活用)」という方法があります。
「アップサイクル」とは捨てられるはずだった廃棄物や不用品を、新しい製品にアップグレードすることです。アパレル産業からは、売り切れなかった衣類や衣類を作る工程で出たハギレ、布を織った際の繊維クズなども利用されるうことが多いです。
アップサイクルの面白いところは、今まであったモノが全く違うモノへ生まれ変わる事があるという事。
ここで、エシカルファッション専門のセレクトショップEnter the Eで取り扱うブランドで例をあげてみます。
【Les Récupérables(レキュペラブル)】
他とは一線を画すエシカルへの取り組みを行っているフランスのブランド。
ラグジュアリーブランドの製造過程で出るはぎれやカーテンなどのデットストック生地、ビンテージリネンなどをアップサイクル(再活用)しています。
ただ、アップサイクルを行うのだけではなく、良い素材だけを厳選して作るからこそ、長く着れることもまたもう一つのサステイナブルです。
2WAYアップサイクルカットブラウス ポリアミド(ナイロン) TIE TOP Pink softness
アップサイクル コットンリネンカジュアル2WAYワンピース カーキ
【AIRPAQ】
ごみを宝物に換える。 ”車の廃材から生まれたバッグ ~Upcycled from car waste~” AIRPAQは2017年にドイツで創立されたサステナブルバッグブランドです。捨てられてしまうはずのエアバッグやシートベルトなどの車の廃材を再利用(アップサイクル)して商品をつくっています。人の命を守るために様々な安全基準をクリアし、車に装備されるエアバッグやシートベルト。その多くは幸いにも作動することなく、日々大量に廃棄されています。軽量かつ強度のある優れたこの素材を捨てるのではなく、バッグへとアップサイクルすることでごみを減らし、新たな価値を創造・サステナブルな社会実現を目指しています。
ナイロン バックパック ブルー
アップサイクルのメリットデメリット
アップサイクルのメリット
衣類や廃棄物の処分を削減し、処分過程によるCO2の発生などの環境負荷を防ぐ事が出来ます。また、衣類を作る際に一から素材を作るよりも、元々ある素材を再利用する事で作製時のエネルギー使用やCO2の発生を削減する事が出来ます。
アップサイクルのデメリット
デットストックや廃棄物などは、破棄される理由があります。
例えば、生地が粗悪で売れ残ってしまった。などは想像がつきやすいのではないでしょうか。又、本来違うモノとして作られているところを一度解体して、新たに作り直すので強度が劣る場合があります。
アップサイクルで作られたアイテムが一概に良いとは限らず、どのような素材でどのように作られているかをしっかり見極める必要性があるでしょう。
【最後に】
いかがだったでしょうか?この記事ではアパレル産業から起きている衣類ロスの問題から、それを活用して新たなモノを生み出すアップサイクル方法についてやメリットデメリットをお届けしました。
アップサイクルで作られたアイテムを選択する事で、衣類ロスや廃棄処分を減らし、環境負荷の削減に繋がります。
Enter the Eでは今回ご紹介したアイテム以外にも、アップサイクルアイテムを数多く取り揃えています。ぜひ、アイテムを見てみてくださいね。