オーガニックコットンは地球と人の健康を守る持続可能な素材。通常のコットンとの作り方の違いとは?
オーガニックコットンは地球と人の健康を守る持続可能な素材。通常のコットンとの作り方の違いとは?
タオルや寝具・衣類など様々なアイテムに使われている私たちの身近な素材コットン。
コットンは
衣料として使用される生地の40%を占めており、世界の75%の人達が着ていると言われるファッションと切っても切り離せないような存在です。
この記事では、コットン素材の特徴や一般的な栽培方法。そして持続可能な素材として注目を浴びているオーガニックコットンはどんなコットンなのかについてお話ししたいと思います。
コットンとはどんな素材?
コットン(別名:木綿/綿)とは、アオイ目アオイ科ワタ属に属する多年草「ワタ」の種子からとれる繊維とその繊維から作られる糸や生地のことを言います。
春に種子をまき、夏に花が咲き、秋に果実が実り、熟した果実がはじけて中から白いコットンが出てきます。それを集めて糸を紡ぎ、生地が作られます。
コットンの特徴は
- 肌触りが良い。
- 吸水性が良い。
- アルカリに強く、洗濯や漂白がしやすい。
- 水に濡れることで強度が増し洗濯に強くなる。
- 発色性に優れている。
- 吸湿性が良い。
- 通気性が良く涼しい。
- 厚手にすれば温かい。
コットンの一般的な栽培時の農薬の使用量
ワタが育つ畑は、虫も雑草も育ちやすい場所。虫たちから花を守るために殺虫剤を。
雑草が土壌の栄養を奪わぬように除草剤を。
ワタの成長を手助けするために成長調節剤・防カビ剤・化学肥料を。
成長し、実がはじければ枯葉剤を。というように多くの農薬が使用されています。
その量は世界で販売されている農薬の約7%を占めるほどの量。
除草剤に関しては約16%を占めています。
コットンを作っている地域は、発展途上国の貧困層地域が多く、農薬の危険性や知識を知らずに栽培をする事があります。
マスクや手袋を使わず有害な農薬にまみれる事から、コットン栽培農家さんの健康被害は年間数百万件。死亡者も年間数百件にも及ぶとも言われています。
コットンの一般的な栽培時の水使用量
農薬を過剰に含んだ土壌は微生物の消滅などにより、作物を育てる力が減少し水効率も低くなります。1kgのコットン(ジーンズ1本分の量)を取るためには約10,000ℓの水が必要との結果も出ています。
オーガニックコットンとはどんなコットンか?
オーガニック農産物などの生産方法についての基準に従い、2−3年以上の生産の実績を経て認定機関に定められた農地で農薬、肥料の基準を守り、更に栽培時に社会的範囲を守って生産されたコットンをオーガニックコットンと言います。
農薬や化学薬品を使用しないことで、農場周囲の環境を、豊かな状態に保つことが可能ですし農家さんの健康状態も保つことが出来ます。
残念ながらオーガニックコットンの栽培には大変な工夫とコストや労力が伴う為、世界の全綿花生産量に占める割合は1%にも満たない現状です。
一般的なコットンと比較したオーガニックコットンの環境影響割合
*水消費−91%
オーガニックコットンは農薬や化学肥料を使わないため、土壌が健康です。
すると水効率が高くなり一般的なコットンより少ない水で栽培が可能と言われます。
*Co2排出量−46%
栽培時に化学農薬や機械をほとんど使わないため削減できます。
さらに有機栽培によって整った健康な土壌では微生物が増え、大気中のCO2を吸収してくれます。その結果、CO2を減らしてくれる可能性もあります。
*エネルギー使用量−62%
作物の収量を増やすための肥料と農薬の生産や、それを撒くための車両運転のガソリンエネルギーの使用を削減できます。
最後に私たち消費者ができる事とは?
今回の記事では、コットン素材の特徴から 一般的な栽培方法、オーガニックコットンついてまでお届けをしましたがいかがでしたか?
オーガニックコットンの栽培を拡大することが地球環境や生産者を守る事につながると知っていただけたと思いますが、上記でもお伝えしたように、現状は世界の全綿花生産量に占める割合は1%も満たしていません。
そこで、私たちが出来る事は「オーガニックコットン」の製品を選んで購入することで、需要と生産が増え、世界は少しずつより良くなっていきます。
オーガニックコットンを選ぶ基準として、「GOTS認証」や「OCSオーガニック認証」などの第三者機関の認証を取得しているアイテムを選ぶ事も選択肢の一つです。
認証については別の記事で解説していこうと思います。
参考
・Global Organic Textile Standard
・GreenPeaceJAPAN
・日本オーガニックコットン協会